今回はフランジャー、フェイザー、コーラスを作ってみましょう。これら3つのエフェクトはディレイの応用で、位相を周期的にずらすことで効果を作っています。基本的な構造は共通していて、細かいことを省けばパラメータ量の違いしかありません。
目次
基本構造を作る
音源とディレイの処理
[noise~]が音源となります。音源と[delay~]を挟んだ音を足すことで位相効果が作れます。
[delay]はミリ秒ではなくサンプルサイズで指定をします。ですのでオーディオ・デバイスの設定が44,100 Hzと48,000 Hzでは異なる結果が出てきます。
同じディレイ効果を作るオブジェクトで[tapin~][tapout~]があります。こちらはミリ秒での指定になります。
今回作るエフェクトは短い時間での指定になりますので[delay~]の方が扱いやすくなります。また[tapin~][tapout~]を使用しても作れますが、オーディオ・デバイスのSignal Vector Sizeを小さくしないと効果が出ません。処理も重くなるので[delay~]を使用する方が現実的です。
周期的に変化させる処理
周期的な変化のために[cycle~]を使用します。[cycle~]は-1~1の範囲で振幅します。ディレイ・タイムはマイナスに行くことは無いので0より大きくします。[scale~]を使用して今回は0~200にしました。
2つの処理を組み合わせる
[scale~]の処理を[delay~]の第2インレットに接続して完成です。最終的な出音をソノグラムで確認すると、フランジャー効果が出ているのが分かります。
パラメータの設定
フランジャー
フランジャーは「ジェット・サウンド」という、上空を飛行機が飛んだような効果が作れます。[cycle~]の周波数を1以下の小さい数値にするとそれっぽくなります。
フェイザー
フェイザーは位相のズレが周期的に聞こえる感じにします。周波数を1~6、デプスを100あたりにするとそれっぽくなります。
コーラス
コーラスは複数の人が歌っている時のような効果を作ります。パラメータはフェイザーと同じなのですが、このままでは周期的に聞こえるので、Maxのコミュニティでは[cycle~]ではなく[rand~]を使用することが多いようです。